第6章 伴侶の儀式
「互いを離すな!
何があっても…な!」
康太はそう言い笑った
「雅龍!」
康太に呼ばれ、雅龍は「はい。」と向き直った
「愛するなら…何処でも生きられる」
康太はそう言い…恋人の指に触れた
榊原は康太の指に、自分の指を搦めると、強く握り締めた
「そうだろ?」
神と呼ばれし存在だったのに…
人へと堕ちた…
愛すればこそ
愛しているから
二人は手を取り…
生きて来た
そんな二人を目にして…
雅龍は…心が解き放たれた想いになった
飛鳥井康太は…
互いの存在を解らせる為に…
榊原 伊織は…離したくない愛を
解らせる為に…
送り出してくれたのだ…
昔 神と呼ばれし存在がいた
四神 の一角を担う龍族の自慢
龍の誇り
龍の象徴…だった
四神…玄武 白虎 鳳凰 そうして青龍
四神の一角として生きる青龍
魔界ではなくてはならない方を司る番人
彼は法皇になるべき存在だと謂われた
そんな彼はある日突然…
人へと堕ちた
炎帝と言う
魔界の問題児と…共に…人へと堕ちた
魔界を揺るがす大事件だった
堅物…と言われし神
彼が選んだのは…
破壊神なのだから…
だけど今
彼等を目にして…
雅龍は想う
愛していれば…
それ以外は…必要ないのだと…
だから彼等は…捨てられたのだ