第6章 伴侶の儀式
静まり返った…部屋に襖を開ける音が鳴り響いた
襖が開けられ…
廊下には…
飛鳥井家 真贋 飛鳥井康太が立っていた
「夏海、ご苦労だったな」
康太は笑っていた
「真贋…」
夏海は呟いた
「お前は飛鳥井の人間ではない」
飛鳥井の人間だとて、伴侶の儀式は…難問とされる
それを此処まで頑張ったのだ
康太は、夏海と雅龍の努力を称えた
「なのに、此処まで良く頑張った!」
康太が夏海を労る様に抱き締めると
夏海は、へなへな…と床に崩れ落ちた
崩れ落ちる瞬間…
雅龍の腕が、夏海を抱き締めた
もう…絶対に離さない…と決意が見えた
「夏海、雅龍、お前達 二人に伴侶の儀式をさせたのは、互いを信じて生きて行って欲しいからだ!
他じゃない!
自分の総てを預けられる存在を弾き出して欲しかったから、無理してでもやらせた」
康太の言葉に…真意を推し測る
「どうだ?互いは力を合わせて行ける存在かよ?」
康太が尋ねる
「そうね!雅龍なら私の命を預けられる!」
夏海は言い放った
雅龍も「夏海の為だけに…生きたいと想う」と本心を告げた
嘘
偽りのない言葉
本心から出る…
雅龍の言葉だった