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鏡の中から

第6章 伴侶の儀式





危なっかしい

だけど、先を見る目は誰よりも確実で

頼もしい

今まで…出逢った人間とは全然違う

神楽 茜…

初めて…目にした人間

茜は…神楽の土地で暴れし龍を封印した

封印し、使い魔にした

茜になら…そう思ったのに…

人の寿命は…雅龍より短く…

雅龍を置いて旅立つ

茜を失った日

雅龍は…神楽を離れる気でいた

だけど…茜のいた神楽に留まった

何故かは解らない

そんな事すら…忘れてしまう程

永らくの時を生きてきた

此処 最近は…能力者も生まれず…

神楽は終わると想っていた

そうすれば…

雅龍は黄泉へと渡り…魔界へ還る

そうしようと想っていた

なのに…

夏海と出逢った

自己主張の強い…夏海に…



「我の時間と…お前の時間は…
重ならない…俺を置いて…
お前も旅立つのに…愛せと言う
お前を愛したら…
お前を亡くしたら…」

雅龍は…天を仰いだ

俺は…地獄を見る

お前を亡くして…生きて行く地獄を…な

人と、龍の、寿命は違う

雅龍は…夏海の唇に…

キスを落として

「お前が…黄泉を渡るなら…
俺も…黄泉を渡り…連れ去ろうか?」

愛したら…

離さない…

そんな自分が…

怖くもあり…

嬉しかった

「夏海…」

その腕に抱く…

雅龍は何時までも…夏海を抱き締めていた





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