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鏡の中から

第6章 伴侶の儀式




夏海は、雅龍をモノとは見ない

雅龍を存在として扱ってくれる

『私を愛さない相手は要らない』

夏海の言葉が…

心にのし掛かる

「お前を愛したら…」

それはそれで…

哀しいではないか

俺はこの世に存在出来ぬのに…

お前を愛せと…言うのか?

お前を愛したら…

共に…逝けるのか?

雅龍は…

果てしない想いを巡らせ

夏海の唇に

自分の唇を重ねた

触れるだけの…接吻をした



夏海が眼を醒ますと

昨夜同様…目の前には雅龍の顔があった

ドキッとしちゃう

何で…何時もこんなに近いのよ…

夏海は…ドキドキしながら、雅龍を見た

雅龍も夏海を見詰めた

眼と眼が合い…

互いを見詰める

互いだけを見つめ…


「目脂が着いておるぞ!」

と、雅龍は夏海に言った

夏海は…

雅龍の上から起き上がると

川で顔を洗った




雅龍も…ドキッとして茶化した

夏海の真っ直ぐ見つめる瞳に…

雅龍の心は…穏やかじゃない

川で顔を洗う夏海を見守りながら

「…初めての感覚かも…」と呟いた

バシャバシャ顔を洗って

犬みたいに顔を横に振って水を飛ばす

女らしさは…

皆無かも

だけど、そんな姿を見つめるとほんわか胸が暖まる

夏海は…雅龍に水を飛ばした

バシャッと水を飛ばして…笑う

「こら、止めぬか!」

夏海を捕まえ…









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