第5章 修行へ
飛鳥井の家へ行くと、応接室に通された
ふかふかのソファーに腰掛け
横の雅龍を見る
父親のスーツを借りて着て、何とか来日の外人さんみたいになっていた
ガチャとドアが開く音がすると
夏海はキチンと姿勢を正した
飛鳥井家 真贋 飛鳥井 康太 が応接室に顔を出した
身長 160センチあるかないかの小柄な、元気な男だった
その横に…常に影のように連れだって歩く男
榊原 伊織
身長 180は行くでしょ?って身長で役者張りの男前だった
当たり前か…彼の両親…兄は役者だったから。
飛鳥井康太を取り囲む様に…彼の仲間が立つ
番犬の様な二人から…フランス人形バリの青年から、一条隼人と言う俳優まで…いた
何とも…此処は別世界だわ
夏海は何時も此処へ来ると、そう思った
飛鳥井康太は何時もの席に座ると足を組んだ
「久し振りだな 雅世!夏海!香澄。
今日は珍しいもん連れてんじゃんかよぉ」
康太は瞳を輝かせ…雅龍を見た
「雅龍、幾久しいな…」
康太が言うと雅龍は、康太を見た
「100年前にお逢いした時より、今世は育ちが…悪いと見える…」
100年前は、すらりとした青年だった…筈
今世は…少し感じが違った
康太はカチン…と来た!
人の気にしてる事を…!
「捨てておけ!昇華してやろうか?雅龍?」
康太はニャッと嗤い…雅龍を、睨み付けた
「ご冗談を…」
「オレは何時も本気だぜ!
忘れたのかよ?雅龍?」
返されて…雅龍は謝るしかなかった
「申し訳ございませんでした!」
雅龍が謝る姿を…夏海は初めてみた
「夏海!」
急に康太に呼ばれ…夏海は慌てた
「はい!」
「良い伴侶を得たな!」
「冗談は起きてから言え!」
夏海は怒った