第2章 序章
お婆様が、孫の名を呼んで探し回る
「お婆様!ココだよ!」
夏海と呼ばれた子が蔵の中から手をふる
「もう蔵の中におったのかえ?」
お婆様は、なんやら嬉しそうに夏海に近寄って行った
神楽 夏海 17才 高校2年生だった
夏海の家は古くから伝わる家業
祓い魔を生業にしていた
夏海はそんな家業を嫌って…
反発をした時もあった
だが逃れられない現実を夏海は受け入れるしかないかと諦めていた
夏海は素質がある
お婆様は、誰が何と言おうと
夏海を買っていた
「お婆様、何か用?」
「お主に蔵の掃除をしてもらおうと待っておったのじゃ!」
「だってね!私の顔を見るなり…母さんが掃除をしなきゃお小遣いカットだって脅してきた…」
「年の瀬じゃ!綺麗に磨いてたもれ!
調度品は…この布で拭いてたもれ」
お婆様はそう言い夏海に布を渡した
かなり年期の入った布だった