第15章 またね
二人して
深い眠りに堕ちる
二度と…
醒めぬ
眠りに堕ちる
手と手を硬く握り合い
眠りに落ちる
黄泉へと続く…
眠りに堕ち…
人の世を…終えた
その時
蔵の中の神器が
音を立てて
割れた
夏海と雅龍は手と手を取り合い
黄泉へと渡った
それを見届けたのが
紫雲龍騎
紫雲は夏海と雅龍の魂を導き
黄泉へと送った
そして黄泉で待つ
雅龍の父 黄龍へと引き渡した
黄泉の泉の女神が
夏海を受け入れ
雅龍と同じだけの寿命を渡した
「二人は何があろうとも一蓮托生
共に逝けば良い…
それが…あの方の願いであり…望みだ」
黄泉の泉の女神が懐かしそうに瞳を顰め…
二人に話す
夏海も雅龍も…
女神が思い浮かべる人を浮かべ
受け止めた
二人は…
二度と離れぬ世界へ
向かった