第15章 またね
神の前で永遠の愛を誓う
凰星は…
そんな両親を見ていた
ずっと
ずっと
見ていた
大人しく、その瞳に焼き付ける様に
じっと、両親を見ていた
もうじき2歳になる
なのに…凰星は物事を弁えて
理解していた
子供にしては冷めてる
我が儘の1つも言わない
まるで総てを理解しているから
言わないのか?
凰星は…
残り僅かな両親を見届けるかの様に
静かに
座っていた
挙式が終わり
夏海と雅龍は手を取り、教会から出てきた
そんな二人を祝福するかのように
ライスシャワーの雨が降る
夏海と雅龍は絵顔で、その雨にあたり
「今日は本当にありがとうございました」
と、深々と頭を下げた
春海は「記念写真だ!夏海!」とカメラをセットする
「大丈夫?お兄ちゃん?」
その腕に不安を感じ、夏海が確かめる
「バカ夏、お黙り!」
春海は茶化して夏海を止める
「さぁ良いかい?チーズで笑えよ!」
春海はカメラをセットして
皆の所へ走る
辿り着くと パシャ!
と、フラッシュが光り
写真が撮れた
不安だから写真を4枚
撮影を4回
春海は確かめる事なく
カメラをしまった