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鏡の中から

第15章 またね




バージンロードを父の手を取り、歩く

「 ごめんね…父さん」

夏海が父に…想いを伝える

娘の行く末を見たくない親など…

何処にもいない

我が子の幸せを願わぬ親など…何処にもいない

それが解っているから…

夏海は父へ…謝った

「綺麗だよ…夏海
父さんは…それだけで良い…」

流れる涙を拭いもせず、礼二は微笑んだ

二人で歩く先には…

金色の髪をした雅龍が立っていた

「夏海…何処へ行っても…
お前は父さんの娘だ…」

「…父さん…ありがとう」

父の腕を…

ギュッと握った

父さん…

ごめんなさい

貴方は娘に甘く…優しく育ててくれた

貴方が怒った姿など見た事もない

それ程に…大切に育ててくれた

愛してくれた

礼二は


バージンロードの行き着く先にいる

雅龍に、夏海を渡した

「幸せにして下さい」


礼二は雅龍に夏海を託した

泣いても還れぬ

遠くへ行く

そんな娘を支えてくれる唯一の存在

雅龍に夏海を渡した

雅龍は礼二から夏海を受け取り

「絶対に幸せにする!約束する!」

と、礼二に返した

夏海は雅龍の腕を取り…

艶然と笑った

悔いなど1つもない

晴れやかな笑顔だった




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