第15章 またね
子供達にしてやれる事など…
もうないのかも知れない
それでも、夏海は何かを遺したくて
日々…それだけの為に
命を削り…
遺す作業に明け暮れた
錬金術 写し鏡
夏海は子供達に…鏡を遺す事にした
嫌…
子供達を何時も…
見守る為に…
鏡を作る事にした
と、言った方が正しいのか…
鏡は人を写す
人の心は鏡なり
濁っておれば
濁ってしか写らぬ写し鏡
願えば…
道は開ける
想えば道は続く
鏡とは、そんな自分を写し出す
真実となる
我が子に遺す鏡を作る
煌星と凰星に遺す鏡を
夏海は日々作っていた
愛を込めて…
願いを込めて…