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鏡の中から

第4章 紹介




雅龍は、神楽の家族に受け入れられ

上機嫌だった

雅龍は、かなりの男前だ

長身で、ガタイは良く

顔立ちは役者顔負けの色男

黄金の髪をして…

その髪はライオンの鬣みたいに見えた

そして黄金の瞳をしていた

「雅龍と申す。以後おみしおきを!」

神楽の家族に頭を下げると

お婆様に

「こりゃ…家業は継げぬわな」と笑った


香澄は力なし

礼二は力はあっても強くない

春海は母同様力なし

力があるとすれば…夏海だけだった

祓い魔の稼業も…風前の灯だった

お婆様は高齢のため…もう魔は祓えなかった

「でも安泰だ。夏海が婿をとってくれる」

お婆様は楽しげに、そう言った



「普通、跡取りは長男じゃない?」

夏海は納得が行かないと…ボヤいた

春海は「僕は無理でしょ?力がないよ」と笑った

「お兄ちゃん、ずりぃ!」

「お前は…力もなく産まれた者の苦しみなど…解らないだろ?」

春海は…普段見せぬ顔を見せ…夏海を睨み付けた

「神楽の人間ならば、力を持って当たり前
力がないと言うと…神楽の人間なのに…と残念がられる
そんな僕の心なんて知らずに…言うのは許さない!」

春海の言葉に…

夏海は言葉を失った

何時もの兄と違った…

穏やかで優しい兄

その兄が…神楽に産まれて力なしとして生きて来た

その苦悩を…知らなかった




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