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鏡の中から

第13章 愛しき日々





雅龍は夏海を抱き締めて…

離さず眠りにつく

ここ最近は…体を繋げれる程…

夏海の体調は良くなく…

大人しく眠りについていた

日々…弱って行く

それを気丈に…振る舞っていても

夏海の体を抱き締めれば

確実に細くなって行く

雅龍を殴り付けていた腕も…

雅龍を蹴り飛ばしていた足も…

痩せ細り…日々…弱って行く

それでも…日々を生る

どんなに辛くても…夏海は弱音を吐かない

雅龍はそんな夏海を全身で守り

サポートして来た

愛してるから…

夏海しか愛せないから…

日々…腕の中で…細くなって行く愛しい人を…

離さないで…抱き締める

雅龍が産まれて初めて愛した人だった

愛しいと想い

離したくないと想い

魂を結びつけた…相手だった

ずっと一緒にいような…夏海

死しても…滅びようとも…

愛して…

愛して…

離しはしない

雅龍の想いだった

雅龍は我が子を両手に抱き

キスを落とす

この子達の行く末を…

側で見守れないのが…

辛い

「煌、お前は凰を絶対に忘れるな

凰、お前も煌の事を絶対に忘れるな

二人は共に在るべき存在なのだからな…」

離れ行く…

我が子に言い聞かせる

脳裏に焼き付かせ

言葉を遺す

側にいられぬ…親だから

いられる間は…愛してやまない

愛して…

愛して…

例え…側にいられずとも…

お前達を…見守ると…

雅龍は心に誓う

「 愛している…愛しい我が子よ…」

日々重くなる愛しい存在を胸に抱き

雅龍は精一杯愛を注ぐ

悔いのない様に…

忘れてしまっても…

細胞が…忘れてしまわない様に…

刻んで行こう

「煌、凰!愛しき子よ!」

雅龍は、我が子を腕に抱き上げ

沈み行く夕陽を何時までも眺めていた





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