第13章 愛しき日々
初めての育児は…戦いだった
ミルクにオムツ
夜泣きに…病気
日々、悪戦苦闘して
新米パパとママは…子育てをしていた
子育てに少しなれると泣き方で
何を訴えてるか解るようになって来た
「雅龍…オムツだよ」
煌にミルクを飲ませながら
雅龍に凰のオムツを変えさせる
同時に泣くけど…
目的は違う
戸惑いながらも
日々子供と接していると…
泣き方で、大体分かる様になって来た
それでも時々…
オムツでもミルクでもないのに
泣かれると…新米パパとママは
「「 こっちが泣きたいってば!」」
弱音も…吐くけど…
日々 奮闘していた
夏海の、出産は難産だった
普通に分娩したとしても初産は産道が通っていない分
リスクが伴う
ましてや初産で、双子となると…
かなりのリスクと…相談せねば…
出産など出来ない
夏海の膣口は、出産に耐えきれず
裂けた…
大量に出血するなか…
双子を取り出し…
尚且つ、夏海の命も救うために
飛鳥井 義恭は持てる限りの力を駆使して、最善を尽くし
夏海の子供を産ませてくれた
危ないと言われていたのに…
双子は無事産まれた
夏海も…生きて…
赤ちゃんを見られた
その腕に抱き締めて…日々育てられている
だが…出産で確実に…
夏海の寿命は…削られて行った
出産をして体調が戻る3ヶ月頃を過ぎても
体調は回復しない
元気な取り柄の夏海は
寝込む様になっていた
体力が続かなくなっていたのだ
だけど、辛い体を押して…
育児には手は抜かった
夏海に残された日々は短い
日々 大切に時を刻む
1日たりとも無駄にはしない
その気力だけが、夏海を奮い立たせていたのかも知れない