第12章 母になる
待合室に響き渡った
雅龍は…産まれた
と、胸を撫で下ろした
待合室にいる両親たちに…赤ちゃんを見せに看護婦がやって来る
「元気な男の子です
1600グラムと軽めですが、男の子の成長は早いですから心配しなくて大丈夫ですよ」
看護婦が優しく赤ちゃんを腕に抱き
家族に渡す
雅龍は双児の一人を腕に抱かせてもらい
初めて…我が子を手にした
赤ちゃんの髪は…金色で
雅龍と同じ瞳の色をして雅龍を見ていた
雅龍は、赤ちゃんを香住に渡すと
もう一人の赤ちゃんを渡された
その子は…漆黒の髪をして…
目が…金と赤だった…
そして、如意宝珠の玉を抱き…生まれてきた
「神楽を継ぐのは…この子だ」
雅龍は、我が子の如意宝珠の玉を…手にすると
その玉に…口づけをした
愛してる…
愛してるから…
想いを込めて…
我が子の手に握らせた
すると手の中に…
宝珠は吸い込まれて…跡形なく消えた
香住は雅龍の子を一人ずつ受け取ると
黄龍と白龍へと渡した
初めて…雅龍の子を手にして…
黄龍は…感無量となり、頬を涙が…
濡らして行った
白龍も…孫を手にして…
愛しい想いが募る…