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鏡の中から

第12章 母になる




気丈に夏海は、そう告げ…笑った

康太は何も言わず…夏海を見ていた

「私のお腹の子は双子

一人は如意宝珠の玉を抱き産まれる」

夏海がそう言うと…

榊原は、驚愕の瞳を…夏海に向けた

「人が…龍を…産むのですか…?」

榊原は信じられないと…呟いた

「そうです。私は龍を産みます
その子が神楽を支えて…神楽は続く!」

家の為に…生きて

家の為に…果てる

その行き様は…

飛鳥井康太と酷似していた

「そこで、真贋にお願いがあります!」

「もう一人の子か?」

康太は…やっと言葉を放った


「そうです。この子もこの世に使命を持って産まれると、星が指し示しました」

「お前の星は…見えてる」

康太は…もう言うな…と夏海を止める

「それでも言わねばならぬのです!真贋!」

「言えば…違えは出来ぬ!それでもか?」

「それでも!私は貴方に頼むべき事があります!」

夏海は、言いっきり康太の瞳を射抜いた

「もう一人の如意宝珠を持たぬ子も…龍の血を引く…龍の子
人にはなれぬ…だが、星は示す
この子は戸浪海里の子として育つ…と。」

「………夏海…我が子を引き裂き…
育てさせるのか?それをお前がするのか?」

康太は…胸を押さえ…苦し気に…言葉にした

「貴方は適材適所配置するが役目
我が子も適材適所…配置して見届けて下さい!」

母の思いだった

この手で育てられぬ…

母の思いだった

母の想いは…

深く大きく

誰も叶わぬ…

愛だった



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