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鏡の中から

第12章 母になる




大掃除を終え、埃と煤で汚れた顔をした雅龍が戻ってきた

「シャワーを浴びてくるから少し待つのじゃ」

雅龍は浴室に駆け込むと、シャワーを浴び

戻ってきた

髪から滴がたるのに…夏海にキスを落とす

夏海は笑って、雅龍の髪を拭いてやった

拭かれて良い子にする雅龍に苦笑する

「何処へ行きたいのだ?」

「飛鳥井の家へ…連れて行って欲しいの」

「飛鳥井…?」

「そう。タクシーを呼んで連れてって」

「解った。服を着替えたら連れて行く」

雅龍はクローゼットを開くと、服を着た

そして、夏海のコートを取ると、夏海を起こし、着せた


雅龍は香住にタクシーを呼んで貰い

タクシーが到着すると、夏海を支えて

タクシーに乗り込んだ

行き先を告げて

夏海の肩を抱き…手を繋ぐ

何も喋らず…互いの温もりだけを感じて

瞳を瞑った

タクシーは、飛鳥井の家に着くと

二人に告げた

雅龍は料金を支払うと、タクシーから降り

夏海を支えてタクシーから下ろした

タクシーを下りると

飛鳥井の家で良く見かける

緑川一生が出迎えてくれていた

「夏海、無理をしなくても康太が出向くのに…」

腹の大きくなった夏海に一生が、声をかける

「うんん。大丈夫。真贋は?」

「夏海が来るから…って待ってる」

出迎えに行けと…言われたから待ってた

と、一生は告げた

飛鳥井の家の中へ案内されると

何時ものソファーに飛鳥井康太は座っていた

夏海は、康太を見ると深々と頭を下げた

雅龍は夏海をソファーに座らせると、その横に座った



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