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鏡の中から

第11章 宝物




「では…何としてでも…産ませないとな」

義恭はお婆様と香住に宣言した

夏海の覚悟を…

無駄には出来ない

命を懸け母となる…

その思い…何としてでも叶えてやる気だった

お婆様は「宜しく頼もうぞ!」と頭を下げた

香住も「宜しくお願いします」と頭を下げ

二人して…飛鳥井義恭に頼み込んだ

「毎月、定期的に検診に来させるんだ」

「はい。毎月定期的に診察に来ます」

香住が言うと、義恭は頷いた

「話はそれだけだ。
で、神楽の龍は、何処におる?」

「夏海の側におると思う」

お婆様が答えると、診察室のドアを開け

雅龍を目にしようと出て行く

診察室から、お婆様と香住が出て来る

夏海は雅龍に凭れ掛かって…寝ていた

義恭は、その姿を見て…

「成る程…」と、頷いた



夏海は…雅龍に凭れ掛かって…

うとうと眠っていた

診察室から出ると夏海は

「3ヶ月(10週)だって…」と嬉しそうに雅龍に告げた

雅龍は飛び上がり、夏海を抱き締めた

「本当に?」

「うん。本当。」

「と言う事は?」

「今 8月でしょ? 3月が出産予定だって」

「3月…後、7ヶ月か…」

「待ち遠しいね」

待ち遠しい…

だけど…

早く来て欲しくはない…

複雑な…想いを抱え…

雅龍は…夏海を抱き締めた

その時、夏海の、瞳にお婆様と香住の姿が見え

手をふった

「お婆様、母さん」

お婆様と香住は夏海の側に行き

おめでとう

と、言葉にした


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