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鏡の中から

第11章 宝物




気持ち悪い…

何だろう…

胸焼けかな?

暑くて、夏バテかな?

怠い体躯で、ベッドから起きると

吐き気に襲われ…トイレへ直行した

洗面所で…口をすすいで顔を洗う

部屋に戻ると、心配した顔の雅龍がいた

「夏海、どうしたのだ?」

「気持ち悪いの…」

夏海がそう言うと、雅龍は

「夏海、病院へ行こう…頼むから…」

心配そうに夏海に訴える

7月の中頃から…続く不調

段々、夏海は体力もなくなって…

痩せて行く

雅龍は心配で堪らなかった

でも夏海は大丈夫…と頑張るから…

黙っていたが…

もう限界だった

「解った…」

夏海が了承すると雅龍は

「家族を呼んで参る…」と言い部屋を出て行った

夏海はクーラーを着け

一息着いた

今は夏休み

高校生活最後の夏休み…だった

8月の前半

夏海は体調を崩していた


雅龍は、母香住とお婆様を連れてやって来た

「夏海、気持ちが悪いのかえ?」

お婆様が尋ねる

「そう。胃がね…ムカムカ…吐き気が止まらない…
食べ過ぎかなぁ?」

お婆様は、夏海の状態を見て

「それは妊娠じゃろ」とさらっと告げた

「えええええええええ!妊娠!」

何時かは…妊娠するとは想っていた

そりゃあ…妊娠するのは解っていた

でも、突然じゃない?

こんなに突然…赤ちゃんはやって来るのね

夏海は…驚き…雅龍を見た

雅龍は…信じられない顔で…

その後

物凄く嬉しそうに笑った

「夏海、真贋がそろそろ妊娠じゃろと連絡を貰ったばかりじゃ
診察に行くなら飛鳥井家の主治医の所へ行くが良い…と仰せつかった」

お婆様がそう告げると

「飛鳥井家の主治医?何故?」と問い返した

「お前の腹の子は…龍の血も受け継いでおろうて…」

一般の産院で産める訳はない…

突き付けられる事実に…

夏海は…それもそうね!と納得した



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