第2章 片足の戦士
「片足の戦士か。かっこいいな!さすが俺の女だぜ」
「カラ松!抜け駆けずるいぞ?!」
「クソ松はすっこんでろ!」
「○○ちゃんもこんな痛いの、嫌だよねー?」
「ちょっと!○○ちゃんが選ぶのは一番ちゃんとしてる僕でしょ!」
「あれー?ライジングシコースキー兄さん。○○ちゃんにひどいこと言ったのに?」
「だから謝ったじゃん!」
そんなことをしているうちに1階にたどり着いた。だがそこには結構な数のゾンビがいた。
遙人が上からマシンガンをぶっぱなす。下からはスライディングしながらマシンガンで撃つ○○。立ち上がりながら消火器を握り消火液を放出させる。その隙に6つ子がそれぞれの武器で戦う。はた目から見れば素晴らしいほどの連携ぶりだ。
ゾンビたちを倒しながら進んでしばらく行くと、大きな戦車が来た。
「軍隊だ!おーい!」
「助けてー!」
ハッチが開いて兵士が顔を出した。
「生存者を保護します!」
兵隊が武器でゾンビを遠ざけながら、全員を戦車に導いた。が。
「待て!」
○○の足を見た兵士が止めた。
「その足はどうした?!」
「ゾンビに足首を噛まれたので切断しました」
すると兵士は○○に銃を向けた。とっさにかばう遙人と6つ子。
「どけ!ゾンビになる前に始末する!」
「噛まれてから結構経ったよ?!ゾンビになるなら、もうなってるよね?!」
撃とうとする兵士と撃たせまいとする遙人たちがせめぎ会う中ゾンビたちがわらわらと集まってくる。
「ゾンビになる可能性のある者を保護する訳にはいかない!」
そう言って戦車に戻ろうとするが、戦車から隊長らしき男が顔を見せた。
「構わん!乗れ!」
「しかし隊長!」
「ゾンビになるのなら、なりそうになってから撃っても遅くはない」
「……はい」
隊長は兵士を最後に乗るよう指示し、○○から順に戦車に乗せてくれた。
最後に兵士が乗り込もうとした時、ゾンビが彼の足首に噛みついた。
「ぎゃああ!」
隊長が噛みついたゾンビの頭を撃ち抜くと兵士はようやく戦車に乗り込むことができた。ハッチが閉められ、やっと落ち着く。
「ひぃ、ひい!」
「早く切らないと!」
「いや、ゾンビになる前に始末する」
隊長の言葉に兵士は情けない声をあげた。