第5章 元いた世界へ
「ああ、いないよ!平和なもんだ」
「なら足のマシンガンはいらないな」
所長が義足を持って○○の方へきた。
「私からのプレゼントデス。お風呂に入っても、海で泳いでも大丈夫デス」
義足は○○の足にぴったりだった。しかも○○の思い通りに動く。見た目も普通の足と変わらない。
「ありがとうございます!」
「よかったな、○○」
「うん!」
所長が隊長にたずねる。
「アウトオブゾンビの発射はいつするデスか?」
「無論、用意出来次第だ」
「了解デス!」
遙人が○○を抱き締めた。
「元気でな」
「兄さん…。兄さんもどうか無事でいて」
おそ松たちは遙人と握手を交わす。
「遙人さん、本当にありがとう!」
「おかげで僕たち、何が一番大切なのかを教えてもらった気がするよ!」
「俺も、強くなれたように思う」
「そうだね。下ばかり向いてた一松兄さんが、ちゃんと前を向いてるもん」
「遙人さん。いつかきっと一緒に野球しよ!」
遙人は少し照れくさそうに笑った。
「はは…。何だか一気に弟が増えたみたいだな」
「準備できたデスよ!君たちは外に出るデス!研究所の屋上に上がるデス。研究所はどんな爆風や高温にも耐えられる上に、中も影響を受けないデスから、心配いらないデス」
外に出るおそ松たち。○○は何度も振り返りながら遙人の無事とこの世界の平和を祈った。
「みんな、一ヶ所に固まろう!」
おそ松の提案に反対を述べる者はいなかった。カラ松と○○のところに集まり、二人を囲むように円陣を組む。その中心でカラ松は○○をしっかり抱き締めた。○○もカラ松にしがみつく。
「みんな!俺たち6つ子は、絶対に離れないぞ!」
「「おう!」」
「○○ちゃんも一緒に帰るんだ!」
「うん!」
「もちろんだともさ。○○は俺と結婚するんだからな」
「カラ松…!」
キスを交わす二人。それと同時に一台の飛行機が飛び立った。空中で旋回し、白い物を落とした。
「来るぞ!もっとしっかり掴まれ!」
離れないようにお互いに掴まり合う。その時、世界が目も開けられないくらいの光に包まれたとほぼ同時にものすごい爆風に吹き飛ばされる。
「「うわあああああ!」」
「離すなよ!」