第4章 最強コンビ誕生
「ふふーん。悪いな、ブラザーたち。もう○○は俺に惚れてるんだ。諦めろ」
「「あとで絶対殺す!」」
「でも、これからどうするんですか?ゾンビはまだまだいますよ?」
不安な声をもらす遙人に隊長は腕を組んだ。
「問題はそこなんだ。我々の武器も底を尽きかけているし、こうしていつまでもここで隠れている訳にはいくまい」
『出来たデス!』
「わあ!」
突然聞こえた声に驚くひまもなく、研究室まで走る。勢いよくドアを開けると、研究室の真ん中には大きな爆弾があった。
「これは爆弾か?!こんな物を作っていたのか?!」
「隊長、慌てないで欲しいデス。これは我々がずっと研究に研究を重ねて開発したゾンビ専用爆弾、名付けてアウトオブゾンビ!」
微妙な空気が漂う中、チョロ松がぽつりとつぶやく。
「こういうとこ、デカパンそっくりだね」
「「うん」」
「これをこの国の上空で爆発させれば、たちどころにゾンビだけがいなくなるデス!」
「それは確かなのか?」
「それはまだわからないデス。でもこのままだと我々もゾンビにされてしまうデス。使わないという選択肢はないデス!」
隊長はしばらく考えた。が、おそ松たちを見て再び所長にたずねる。
「彼らを先に元の世界に帰してやりたいんだが、そっちはまだなのか?」
「その事デスが、どうやら時空の歪みを生み出す必要があるデス。そしてそれは、アウトオブゾンビを爆発させることで可能になるというデータが出たデス」
「だがそれも、やってみないと分からないということか」
「デス」
遙人は立ち上がって○○の手を取った。
「○○。お前はおそ松たちの世界へ行け。その足ではどの道長く無事にいられる確率は低いだろう。せっかく掴んだ幸せを、手放すな」
「兄さん…」
「俺はこのまま軍隊に入る。少しでもゾンビを倒したいんだ」
「カラ松、妹を頼む。必ず幸せにしてやってくれ」
「遙人さん…。俺は○○を必ず幸せに出来るという自信はありません。でも、俺が幸せになれる自信はあります」
そう答えたカラ松に遙人は吹き出した。
「ぷっ!はっはっはっはっは!そうか、カラ松が幸せになれるか。それはいい!分かった。存分に幸せになってくれ」
「はい!」
そしておそ松たちの方を向く。
「そっちにはゾンビじゃいないんだな?」