第5章 元いた世界へ
「……………………い。………………さい!起きなさい、ニートたち!どこで寝てるの?!」
「ん……?はっ!」
6つ子の母親である松代の声で気がついた6つ子。
「全員いるか?!カラ松!」
「おう!」
「チョロ松!」
「うん!」
「一松!」
「ああ!」
「十四松!」
「あい!」
「トド松!」
「うん!」
互いに笑い合う。トド松がカラ松を指さして笑った。
「あははは!カラ松兄さん。なにそれ!」
「ああ。がっしり掴まれてて離れないんだ」
カラ松にしっかり抱きついた形で○○がまだ気を失ったままでいた。
「でもよかった。ちゃんといたね、○○ちゃん」
チョロ松の言葉にカラ松は優しい目を○○に向ける。
「へえ。カラ松もそんな顔するんだな」
「カラ松。その人は誰なの?」
「ああ、紹介するよ。俺のフィアンセだ」
「あらそう。……………………へっ?!ちょっとカラ松、あんた!家庭持つなら就職しなさいよ?!」
「わかってるさ、マミー」
「ん…」
ようやく気がついた○○は辺りをキョロキョロと見回した。そして自分がカラ松にがっしりしがみついているのに気付いて慌てて離そうとしたが、あまりに力を込めていたため、すぐには離せなかった。
「離せない…」
「手伝ってやるよ」
おそ松たちが指を一本一本離していって、ようやくカラ松から離れた。そして改めて松代の方を見る。
「はじめまして、○○と言います。みんなには…特にカラ松にはお世話になりました」
「あなた、こんなクソニートでもいいの?痛いし、ウザいし」
「そんなこと、ありません!カラ松は私にとっては大切なパートナーです!カラ松なしでは生きていけません!」
「あらそう?確かにカラ松はいい子よ。よろしくお願いね?」
「はい、こちらこそ!」
そこへタコの着ぐるみを身につけたトト子もやって来た。
「みんなー、見て見てー!今度は軟体動物に挑戦ー。タコー!」
○○と目が合ったとたん、トト子の顔つきが変わる。
「はあ?!また私以外の女の子をちやほやしてるの?!キンちゃんの時言ったわよね?!」
「トト子ちゃん、これにはふかーい訳があるんだ!」
「ふん!どうせ下らないことでしょ?!あんたもなんでカラ松君みたいな痛い男にくっついてんのよ!」