第1章 神と名乗る者
「ではその間、私たちはこれからの事について話すか。何か、聞きたいことは無いか?」
ニーナは、暫く考えたあと口を開いた。
『さっき、管理しろって言ってたけど...具体的にどうすればいいの?悪を滅ぼして、平和を守る...とかそういう感じ?』
「まぁ、そんな感じだ。平和を保てればそれでいい。」
『全ては私に任せるってことね...じゃあ、平和であれば、他は何してもいいってこと?例えば...誰かの未来を変えたり、とか。』
「あぁ、構わない。言っておくが、例えお前がその未来とやらを変えても、本来の物語には何も影響しないぞ。元々の世界に上書きされるだけだからな。」
『うん、分かった。』
「それと、アレシアには月に1度、私のほうに報告を入れるように伝えてある。この空間から抜ければ、そこからは私と直接連絡することは出来なくなるから、もし何かあればその時に伝えさせろ。それから、緊急時は1度だけ直接私と話せる。慎重に考えて使えよ。」
『何から何まで...ありがとう。』
「このぐらい当然だ。お前は、自分の世界を捨ててまで私たちに協力すると決断してくれたんだ。ほんとに、感謝している。」
そう言うと、目の前の人物は深く頭を下げた。
『神様がそんなことしていいの?』
苦笑しながらニーナが言うと、脳裏でアレシアの声が響いた。
【エネルギー整合、無事終了しました。】
「どうやら、成功したようだな。試しになにか想像してみろ。」
試しにと言われても、どうすればよいか分からないニーナは、取り敢えず言われた通りに想像してみることにした。
黄色い木箱...小さくて正方形の...
そう想像した時、突如目の前にその通りの木箱が現れた。
『っす、すごい!』
「想像力の範囲が広ければ広いほど、身体強化や治癒など、様々な能力が扱えるようになる。」
へぇ...と感心していると、ふとある事を思いつく。
『じゃあ、外見も変えれる?』
「外見?勿論可能だが、今のままでもー」
そう言いかけると、ニーナが突如それを遮った。
『駄目だよ、このままじゃ驚かせちゃう。』
そう、
今から行く世界はニーナが住んでいた世界とは違い、2次元の世界なのだ。3次元の姿で行けば、ある意味怖がられるだろう。