第3章 フーシャ村
ん...ここは?
目を覚ますと、最初に視界に映ったのは知らない天井だった。
「おお、目が覚めたか。」
『ここは...?』
知らないお爺さんに声を掛けられたと思い、目を向けると、そこにはよくアニメで見たこのとある人物が勢揃いしていた。
「昨日の夜、突然空から降ってきたんじゃ。覚えとらんのか?」
そう言ったのは、ニーナのよく知るあのフーシャ村の村長だった。
『昨日...』
重だるい頭を起こして、昨日の出来事を遡ってみる。
昨日は確か...
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時を遡ること12時間前、エースと別れたニーナは遥か上空を飛んでいた。
『もう、このなんでもありな設定にも慣れてきたな。』
自分の想像力とアレスの補助があれば、出来ないことは無いと身に染みて感じていると、脳内で声が響いた。
【ニーナ、この先どうするのか決まっているのですか?⠀】
『うん、大体はね。仲良くなりたい子達がいるんだ。』
頭の中でその子達に、どうやって声を掛けよう。とか、どんなシチュエーションで出会おうかな。とか、そんな呑気なことを考えていると、また脳内で声が響いた。
【ニーナ、なにか黒い塊が斜め前方の方からすごい速さでこっちに向かってきています!!⠀】
先程までとは、全く違う緊迫した雰囲気に、只事ではないとすぐさま言われた場所に目を向ける。
『えっ、なに...』
声を発するのと同時に頭に強い衝撃を覚え、暗くなる視界の中で【着陸モードへ移行します。⠀】と言うアレスの声が聞こえた。
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そこで私の記憶は途絶えている。恐らく、その塊と衝突して私は意識を手放したんだろう。
取り敢えず、自分が予定していたものと、今のこの状況が全く違うことに呆れ溜め息をついていると
「随分と、見た目に不似合いな溜め息をつくんじゃのぉ。」
少し驚いたように言う村長さんの言葉に疑問を感じ、目の前に立てかけてある鏡を見てみる。
するとそこには、小さい頃の私が驚いた顔をして座っていた。