第1章 神と名乗る者
「では...行ってくれるか?」
考える時間をやると言われたため、時間を掛けてじっくり考えることにした。
決意が固まったところで、口を開く。
『うん、いいよ。でもなんで神様が私にそんなことを頼むの?』
ホッと息をつくと、実は...と話しだした。
「私たちが管理できないのはあの世界だけなんだ。先程、宇宙に存在するものは、全て天照大御神様の手によって創られたものだって言っただろ?」
ニーナは黙って頷く。
「だが、無意識とはいえ、偶然2段階能力を所持している者がONE PIECEという世界を創ってしまったため、私たちが唯一管理できない世界が出来てしまったという訳だ。人間が創った世界だからな、管理する者は人間でなければならないんだ。」
『でも、私にはこれと言って能力を持ってる訳じゃないし、何も役に立てないと思うよ?』
「その件だが、実はお前の中にはまだ覚醒しきれていない能力が眠っているんだ。だから何十億といる中でお前を選んだ。」
『私の中に...?』
あぁ...
そう言うと眉間に皺を寄せ、話し出した。
「一般的に能力とは、物心がつき始めた時に開花する。これは成長したり、退行したりはせず、常に一定を保っているものだ。しかしお前の能力は未だに開花していない。」
『そんな...じゃあ一体どうすればいいの?』
不安そうな顔をするニーナを安心させるように僅かに微笑んだ後、どこかに視線を移す。
「もう出て来ていいぞ。」
【はい。】