第1章 神と名乗る者
『意図して?』
「あぁ、先程話した天照大御神様の話と繋がってくる。意図して、つまり想像してそうさせたんだ。あの方は、宇宙にある全ての物体の創始者であり、優れた想像力を持っておられる方なのだ。」
『てことは、天照大御神はダイバージェントってこと?』
「そうだ。そして、それを持つ者には3段階能力が備わっていると確認されている。」
『3段階も?』
「1段階目は、法や伝統などに縛られない自由な想像力を持つ能力。先程話したのがこれだ。今では、これを所持する者は増えているようだな。」
『そうだね、私の周りにもいるよ。』
「次に2段階目、これは強く大きく想像した時にのみ、それを低確率で具現化することが出来る能力。これはごく稀に見られる。」
『具現化!?そんな人間を卓越した能力が存在してるの?』
「まぁ、ここからが異例中の異例だ。最後の3段階目はな、自身が想像した事、物、全てが自由に具現化できる能力。これは2段階目より遥かに稀であるため、奇跡に等しい。因みに天照大御神様は、ここに位置なされている。」
『全てを具現化って...それってもう最強超えてチートじゃない。』
「だから異例中の異例なんだ。天照大御神様はこの能力を使い、地球を含めた様々な惑星を生み出している。」
『だから、意図してそう”させた”ってことだったのね。』
「分かってくれたか。」
『なんとなくだけど。でも...ONE PIECEの世界が存在しているってことはよく分からない。天照大御神が創ったってことも違うだろうし...』
「なら今までを振り返ってみろ。何も具現化させるのは天照大御神様だけではないだろう。」
『あ......ONE PIECEの著者が2段階能力を持っていると考えたら、可笑しくないかも。』
「そうだな。彼はお前の予想した通り、2段階能力を得ている。彼の繊細で自由な想像力もそうだが、彼の創るこの世界観をこよなく愛し、感化される者たちが大勢いることにも、ONE PIECEの世界が完璧に存在することが出来た要因だと言えよう。」
『なるほど。』
ニーナは頭の中で、バラバラだったパズルのピースが次々とはまっていくのを感じていた。