第2章 ゴア王国
『じゃあ、エース...ここでお別れだね。』
別れが惜しくなる前に、早く別れを切り出そうとしていると、慌てたようにエースが立ち上がった。
「っ待てよ!お前の名前は...?」
『...ごめんね、今は言えない。でも、約束する。2年後、私はまたエースに会いにいく。その時教えるね。』
エースは考えるように視線を下に向けた後、また視線をニーナに戻し、大きく頷いた。
『元気でね、エース。』
「あぁ...お前もな。」
すっきりしない別れ方に疑問を感じたまま、エースは去っていった。
エースの姿が見えなくなると、振っていた手を下ろし、そのまま回れ右をする。
『よし、行こう。』
そうして、新たな思いで大きな一歩を踏み出すのであった____