第2章 ゴア王国
「...そう、だな。なんか少しわかった気がする。......ありがとな。」
ボソッとだが、最後の一言は確かにニーナの耳に届いた。
『じゃあ...日が沈み出した頃だし、もうお別れしなきゃだね。』
その言葉を聞き、エースは空を見上げた。
先程まで淡い朱色だった空は、薄い紫色に変わりかかっていた。
「あ...」
『ごめんね、家の人に怒られちゃうかな...?二日間も君を連れ出しちゃったから。』
この頃のダダン達をニーナはよく知らないため、怒らせていないか心配だった。
「別に...あいつらは、俺が何処で野垂れ死んでいようと何も思わねェから大丈夫だ。」
『そっか、』
(あと数年後には親バカ並にまで仕上がるんですけどね...)
「お前の方こそ大丈夫なのか?」
『私?私は...1人で暮らしてるから大丈夫。』
そう言うと、エースの眉が訝しげに寄せられた。