• テキストサイズ

【ONE PIECE】想像少女の新たなる門出

第2章 ゴア王国



暫くして、2人は中心街から端町に出た。

『はぁ...はぁ...ここまで来れば、彼らも追っては来れないはず...』

ここ最近まで、”受験生”をしていたニーナにとって、久しぶりの疾走に息が上がっていた。

それに対しエースは、ほんの少し息は乱れているものの平然とした様子だった。
しかし、その顔は不思議そうにこちらを見上げていた。

「なぁ、これ...」

『ん?』

辺りをキョロキョロしながら言うエースに、一緒になって見渡すと、時間が止まったままだということに気づく。

『あっ、走るのに夢中で忘れてた!!』

慌てて、最初の時のように目を閉じ、意識を集中させる。

動け...


ニーナが再び目を開けると、世界にもう一度時間が流れ始めた。

徐々にこの能力の扱いが分かってき、今度はスムーズに出来たことに安堵していると、背後から息を呑む音が聞こえてきた。

「さっきのも今のも、全部お前がやったのか...?」

目をまん丸とさせて聞いてくるエースに癒されながら、ニーナは近くに置かれた長椅子に座り、隣に座るよう椅子をポンポンと軽く叩いた。


それからニーナは、エースに自分の能力について分かりやすく、丁寧に説明した。
但し、自分の素性などに触れるものは除いて...

「そうか...大体は分かった。世界には、まだまだ俺が知らねェことが山ほどあるんだな。...俺さ、いつか必ず海へ出て、この世の全てを自分の目で見てみたいんだ。」

目をキラキラと輝かせ、夢を語るエースの姿は、希望に満ちた年相応の男の子そのものだった。

その様子をニーナは、我が子を見守る母親のような暖かい目で見つめていた。

『君なら絶対出来るよ。』

予想もしなかった言葉を掛けられ、顔を上げると、穏やかな笑顔がエースに向けられていた。

なんだか恥ずかしくなったエースは、顔を背け咄嗟に話を変える。

「そっ、そういやお前.....聞かないのか。」

『...?』

/ 28ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp