第2章 ゴア王国
恐る恐る目を開けると、そこには静止した世界が広がっていた。
視界に入るものはすべて
まるでフィギュアで作られた世界を見ているかのようだった。
『うそ、ほんとに出来ちゃった...』
目の前の光景に呆気にとられていると、脳裏で声が響いた。
【正直、ここまでとはおもっていませんでした...】
『アレス...?』
戸惑いの色を見せながら、黙り込んだ彼女を不思議に思う。
【...若しかすると、今の天照大御神様をも超える力にまで発展するかもしれませんね。】
何を言い出すのか真剣な声でそう告げるアレシアに、ないない...と苦笑し首を横に振る。
『そんなことより、今はエースのことだよ。ここからどうすればいいの?』
【簡単ですよ。エースくんに触れて、時間を共有するよう想像してみてください。】
果てしてそれを簡単と言えるのかが疑問だが、先程ので自信が付いたニーナは、自分の時を流し込むようにエースの肩に触れた。
瞬間、たちまちエースの瞳に光が宿り始める。
「...っ、どうしたんだ?なんでこいつら、いきなり止まって...」
何が起こったのか分からないエースは、周りを見渡すと、すぐに異変を察知する。
自分が今置かれている状況に気づいた時、エースの目が大きく見開かれた。
「っ...『ストップ!』
何を言いかけていたのか大体予想は付くが、1秒でも早く此処を離れる為には仕方の無いことだった。
『説明は後でするから一先ずここを離れよう!!』
まだ状況が理解出来ていないエースの手を掴むと、足早にその場をあとにした。