第2章 ゴア王国
ニーナは今、恐れていた事態に直面していた。
自分を挟んで火花を散らしあうその光景は、まさに一触即発。
「お前、昨日のガキか。あの時は上手く生き延びたようだが、今度はそうは行かねェぜ。」
不敵な笑みを浮かべ、男は手下と思われる者たちに何やら合図を送ると、合図を受け取った手下達は、エースとニーナの間に割り込む。
「お子様は家に帰って寝んねでもしてな。」
男達はエースを囲い、見下すような冷笑を浮かべると、ふいに何か思い出したように
そう言えば...と続けた。
「お前、よくあの酒場で”ゴールド・ロジャー”について聞き回ってたらしいな。」
すると、別の男も話し出す。
「へぇ、俺たち以外にも聞いてたのか。なぁ...教えてくれよ、なぜ海賊王の子供について調べてたんだ?」
「お前もしや...”アレ”のー」
続けて何かを言おうとしていた男の言葉を、エースは遮るように言った。
「うるせェ!!!次何かおかしなこと言ってみろ...お前の口を二度と聞けねェようにしてやる...!」
歯を食いしばって睨みつけるエースに、
手下の一人が前に出る。
「へぇ、やれるもんならやってみろよ。」
そう言うと、腕を高く振り上げた。
男は容赦なく攻撃をし続けた。
が、何度殴りかかっても軽やかに躱され、傷一つつけられない状況に段々と焦りが見えてくる。
「昨日の俺と今日の俺は違うぜ。舐めてかかると痛い目みるぞ。」
エースの言葉にカッとなった男達は、今度は大勢でエースに殴りかかる。