第2章 ゴア王国
────────────────────
──────────
夢の中、エースは必死に逃げていた。
「鬼の子!!」
「お前は存在するだけで人を不幸にさせる。」
「お前の父親は世界最低のゴミだ!!」
容赦なく放たれる数々の罵倒が、エースを狙う。
背後から迫る闇から必死に逃げようと、遠くの光に手を伸ばすがそれも虚しく、足元の泥濘に体は自由を奪われていく。それでも必死にもがき手を伸ばすが、光は遠のき、闇はみるみるその体を蝕んでいく。
諦めかけたその時、垂れ込めた暗雲から一条の光がエースのもとに差し込んだ。
その光から差し伸べられた手を握り返すと、その手に導かれるように闇を抜け出した。