第1章 育った場所
そこから1年間、わたしは様々な呼吸の育手の元を巡った。
壱ノ型だけ使うある呼吸もあったし、まったくダメな呼吸もあった。
ほとんどの育手は首を傾げ、うちじゃないのか....と残念そうにした。
そんな中、わたしはわたしが得意な型、得意な呼吸があることに気付いた。
そして、女の育手のもとにたどり着いた。
美しく、艶やかで、妖艶な育手はどことなくねぇさんを連想させた。
「あんた、鬼を斬ることはできないかもね。でも、鬼を酔わせることは必ず出来るよ。」
そう言われて、自分でもストンと理解できた。
そう、絶対に斬れないのだ。決定打にかける型しかわたしは身につけられない。
『斬れなかったら意味ないですか?後方支援ではダメでしょうか?』
「いいんじゃない?極めれば素敵な武器になるわ。」
育手は妖艶に笑った。
そこからは地獄のような日々だった。
鍛錬、鍛錬、ひたすら鍛錬。
さらに夜な夜な育手の女に、手練手管とやらを教えられた。
いったいこの手練手管はなんの役に立つのやら。
花街にいた頃なら役に立っただろうが...。