第1章 育った場所
そんな日々が続いたある日。
「、鬼がいる。あんたの呼吸を使ってごらん。」
なぜか、鬼が近くに出たようだ。
というか、家から出たらいた。
「いたな!、お前を喰う、必ず喰うぞ!」
『あなたは!?』
わたしはこいつを知ってる。ねぇさんのお気に入りの客だ。
若々しく、精悍な顔立ち。間違いない!違うのは醜く涎を垂らし、こちらを足の先から頭まで見ていること。
「、お前を喰ったら堕姫様がそばに置いてくれるんだ。さぁ、喰わせろ!」
男はわたしに向かってくる。
『遅いのね。 艶の呼吸、壱ノ型 吐息 』
わたしの日輪刀からは、まさしく吐息のような風が男に届いた。
瞬間、男は跪き動かなくなった。
『あれ?お兄さん歩けなくなっちゃった?わたしの呼吸はどうかしら?鬼はみんな酔ってしまうの。酔うって気持ち悪いのかな?ねぇ?日が登るまでお話ししましょ?』
「あぁ、、、堕姫様、は本当に美しい。新造だしの相手にわたしを選ぶようあんなに頼んだのに、まさか足抜けしてこんなところに居るなんて。堕姫様が教えてくださってよかった。さぁ帰ろう?」
『師匠、お願いします』
ざしゅっ
「、最終選別へ向かいなさい」