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勿忘草

第3章 あれから10年


エ「彼女は以前調査兵団に配属していたその為、壁外調査へも賛成してくれている。それにリヴァイとも話が合うと思うぞ」
リ「…それは珍しいな。憲兵は肥えた豚野郎共の集まりだと思っていたからな」
エ「あぁ、彼女はそういった彼等とは全く違う。そもそも憲兵団へ配属したのも彼女の意思ではない。」
リ「…なぜだ?」
エ「それは………彼女が初代"人類最強"だからだ」
リ「ッ!…それは本当か?」
エ「あぁ、無論」
エ「あれは今からちょうど10年前だ。」
リ「…ッ10年前っていやぁ、」
エ「あぁ、市民からは既に過去の事として扱われているが、我々調査兵団にとってはあの時の壁外調査は今後の為に大いに役立っている」
エ「彼女はその時の壁外調査で右翼にいた」
リ「ッ右翼に生き残った奴がいたのか…」
エ「あぁ、しかし右翼は彼女を残して全滅した。そして、彼女の周りにはおよそ50体もの巨人の死骸が横たわっていた」
(リ 50体だと!?俺ですら50体も削ぐことが出来るか分からねぇ
エ「そして彼女はその功績から人類最強と称えられた」
エ「しかし、そんな事彼女にとってはどうでも良かった」
リ「?」
エ「彼女はその日自分の目の前で恋人と班員を巨人に殺された」
リ「!!」
リ(俺も恋人ではねぇが、目の前でファーランとイザベルを失ったな…)
それが恋人だったら余計辛かっただろう
エ「彼女は当時分隊長をしており部下を沢山持っていたが、その部下達が巨人に殺される度に"自分の判断のせいだ"と挙句の果てには"自分が彼らを殺した"と酷く自分を責める事があった。」
リ(まるで、あの時の俺じゃねぇか…)
エ「その度に彼女の恋人はそんな彼女に言葉をかけ、救っていた」
エ「しかし、その彼も彼女を庇って結果死んでしまった」
エ「そのため、彼女は未だにその日のことを悔やんで、自分の責任だと自分を責め続けている」
エ「だから、リヴァイどうか彼女を救ってやってくれ」
リ(……普段の俺ならこんな面倒な事は絶てぇに引き受けない…が、今回は違う。
…そいつは、まるっきりあの頃自分ばかり責めていた俺だ。…このまま放っておいたらそいつは間違いなく壊れるだろう…。俺のようにはなって欲しくねぇ…)
リ「……あぁ、いいだろう。…引き受けた」
エ「ありがとう」
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