第2章 旅立ちの章
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「…どうしたの?お父さん、お母さん…」
「カエデ、お前が旅立つ前に、言っておかなければならないことがあるんだ。」
なんだろうと思いながら、いつもの定位置に腰を下ろす。
それを確認したお父さんがまた口を開いた
「お前は薄々気づいていた、かもしれないが…」
その、な、と言いづらそうにしているお父さんの姿から、その後何が言われるのか分かってしまった。
「お前は…俺の、親友の、子なんだ…」
「親友?」
「ああ、お前の本当の父親は、俺の親友だ」
親友、だから、私を託した…なら、私は親に愛されていたのだろうか、そう感じることができて、少し嬉しかった。
「そう、なんだ」
「驚かないのか?」
「んー、まあ、血が繋がってないのは、気がついてたから…」
「お前は昔から、カンも頭も良い子だ。そこは母親似かもな」
そう、悲しそうな顔で笑うお父さんに、私はなんと言えば良いのかわからなかった。
「あなたのお父さんはね、砂の忍びだったの」
「え、砂の?じゃあなんで木ノ葉に…」
「お前のお母さんが木ノ葉の人でな。…お前のお父さんがこちらに婿入したんだ」
私は、自分の生みの親の話を初めて聞いた。
いや、本当に血が繋がってなかったのを知ったのも今だからしょうがないかもだけど。
「貴方の髪はお父さん似。顔も似てるわね…。性格はお母さんだけど。」
「お母さんは、どんな人だったの?」
「それはこれから医療忍術を教えてくれる人に聞いたほうが良いだろう」
「じゃあ、お父さんは?」
「名前は瑠砂(るさ)。四代目風影の弟だ。」
懐かしそうに、結構な爆弾を落としてくるお父さんに、リアクションしきれず、ぽかんとする私。
「え?てことは何?風影の親戚になるってこと??」
「ああ。姪っ子…って所か?」
「ふふ、急に言われても分からないわよね?」
「…まあ…」
「瑠砂は…天然だけど、ものすごい風遁使いだったのよ?」
「アイツの未来は俺にも読めなかったな!」
あっはは、と笑うお父さんに、なんだかスケールのでかい話のように思えて…どう反応すれば良いのかわからなかった。
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