第2章 旅立ちの章
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ずっとずっと考えても、何も思いつかず、と言うか何もできず。
今日も変わらずサスケと一緒に修行する。
サスケとは、たまに試合して…もうすぐ30試合くらいになるだろうか。
ちなみに全勝中だ。私は随分と負けず嫌いらしい。
「修行してたら暗くなっちまったな」
「流石にもう帰らないとだね」
その日は、初めから嫌な予感はしていたんだ。
でも、修行前に立ち寄ったサスケの家にいたイタチさんは、いつも通りで。
だから、気のせいだと、気にしないでいたんだ。
私の予感が的中していると気がついたのは、サスケと別れた帰り道だった。
急いで家に帰ろうと走っていた時、ふと、月が気になった。
今日の月は丸いなあ、と考えてから、ハッと思い出したのだ。
”うちは事件があったのは、満月の夜”ということに。
いや、もしかしたら満月ではなかったのかもしれない。でも、丸い月が空に浮かぶ日だった。
それを思い出した私は家に向かう道を反対に走り出した。
嫌な予感というものは的中するもので。
「ハァ、ハァ、っ、サスケ、イタチさん…っ、」
帰りに走らなきゃよかった、なんて少し後悔。でも、私はスピートを緩めること無く、うちはの集落に到着した。
「っ、さい、あく…ハァ、ハァ…」
肩で息をしながら、真っ暗なうちはの集落を進んだ。
まだ眠る時間じゃないのに、点いていない明かり。
道端に、倒れ込んでいる人たち。
…それは、本当の地獄絵図のようで。
「うわあああああ!やめて!やめてよ兄さん!!!!」
少し先の方から、そんなサスケの声が聞こえた。
私は猛ダッシュで声のした方へと向かった
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