第2章 旅立ちの章
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「結局、お前の悩みってなんだったんだ?」
しばらく空を身上げてぼーっとしていたら、シカマルが聞いてきた言葉。
それになんて答えれば良いか分からなくて。
「あー、なんていうか…明日、憧れの人に初めて会うから、何話そうか考えてたの」
……嘘は言っていない。
実際、前世ではこんな兄ちゃんほしいって憧れてたし?
何話せばいいのかわかんなくなってたし?
でももし、本当のことを伝えたら、…シカマルの頭脳があれば、もしかしたら…
そう考える私は、きっとシカマルに甘えてる。
空を見上げて、何話そう〜?とわざとらしく言ってみると、シカマルはため息を吐いて「ンな事かよ」とぼやいたのが聞こえた。
「ンな事とはなんだ!憧れの人だよ!?気を引き締めて会わなきゃ、緊張で声裏返るよ!?」
そんなの一大事でしょ!?と捲し立てる。
「お前、そんなに乙女思考だったか?ったく、めんどくせー」
「普段は違うけど、本当に憧れてる人だもの。ああ、シカクさんに会うときもこんな感じだよ」
理解できねえ、って顔をしてるシカマル。
理解されなくて結構です!…もう。
「ま、憧れてろってことは、今まで伝えたい事がたくさんあったんだろ?それ、全部伝えりゃいいじゃねーか」
そんなこと、できたら困ってないわー!と叫びたかったけど、でもまあ一理あるかもしれないと思い直す。
今日、巻物に覚えていることを全て書こうか、置き場所はどこにしよう。部屋にある床倉庫でいいかな、今は。
そこまで考え、なるようになるか、と気持ちを持ち直す。
何も言わなくなった私を不審に思ったのか、こちらの顔色をうかがうように見てくるシカマルに、笑顔を向ける。
「それもそうかもしれない、ありがとな、シカマル!」
そうと決まったら行動しなきゃ、とシカマルに別れを言って走り出す。
驚いて何か言っていたけど、ごめんまた明日!
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