第2章 旅立ちの章
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「…んで?なんでここに連れてきたのさ?」
「…お前、今日、考え込んでるみたいだったからよ」
ヒナタが心配してたぞ。と教えてくれた、シカマル。
今日、ずっと考えてた…のは確かで。
でも周りに言われるほどとは、思わなかった。
きっとアレかな。ヒナタに言われたのは本当だろうけど、言われなくてもここに連れてきてくれたんだろうな…
シカマルは、そういう奴だからな。
長椅子に座り、隣りにいるシカマルを横目で見る。
「なんかありがとね。」
少し照れくさくて、前を見ながらシカマルに言う。
シカマルは、なんていうか迷った後、おー、と気の抜けた返事をして横になった
その様子が、コイツも照れてるんだ、と理解させてくれて、
かわいいなあ、と笑った。
シカマルのサボりスポットから見える空は、まだまだ青空が広がっていて…
日が長くなったなあ、と感じる。
「お前さ、レイが…いなくかったこと、まだ…」
「ん?いや違うよ、そうじゃない」
シカマルが言いたいことが分かって、即座に否定する。
まだ引きずってんのか、とかそこら辺だろう。
そもそもあいつは、自分が強くなるための修行に出たんだから。
それを引きずるも何もない。
それなのに、それを聞いたシカマルはひどく驚いた顔をしていて。
…そんな顔をされたことが驚きだわ。
「んだよ、シバグリの勘違いか…」
「え、シバ?」
「おー、シバグリのやつ、なんつーか、最近お前が忙しそうにしているのを見て、『カエデはレイが好きだったんだ〜〜』とか言いながら号泣しててよ」
「え、何それ知らない」
「お前がレイと離れて、寂しさを忙しさでかき消してるように見えてたんじゃねーの?」
ま、アイツの早とちりだったみたいだけどな。と少し笑いながら楽しそうに言うシカマル。
うーむ…、確かに、レイがいなくなって寂しかったけど。
それを即恋愛に結びつけるのは如何なものかね…
「ま、家に帰ったらシバの誤解といとくよ。わざわざありがとね」
「そうしてやれ」
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