第2章 旅立ちの章
、
奈良家の研究室とサスケとの修行を交互に行っていたある日。
サスケが急に、兄さんに会わせてやると言い出した。
「…え!?いいの?ほんとに??」
「この前の、お願い、まだ叶えてなかったろ」
「うわ〜!やった!ありがと、サスケ!」
じゃあ、明後日にお願い!と言うと、兄さんに伝えておく。と返ってきた。
ここ数日で変わったことといえば、学校でシバがサスケに突っかかる回数が増えたり、私は気にしてないけど、髪のことをいじられるようになったり。
数日だけで、環境って変わるんだなあ…なんてのんきに考えて、いつもどうりシカマルとダラダラ喋る、そんな平和な時が流れてた。
髪のことについては、たまに手を出してくるやつもいるけどシバが怒って応戦して、何故か私が止めてるし…特に傷つくこともないから平和だと思う。
いつものように忍術の練習をして、日が暮れたらサスケと別れる。
家に帰るとバタバタと迎え出てくれるシバがいて。
「おかえり!えっと、ね、姉さん!」
「別に無理して変えなくてもいいのに」
「いや!カエデは姉さんだろ?だから姉さんって呼ぶんだー!」
玄関先で大声出すな…と呆れてしまう。
最近、サスケに「自分の姉弟を敬えないやつには負けない」とかなんとか言われたらしく、そこから姉さんと呼ぶことにしたそうだ。
…ところで一ついいかい?別に姉を呼び捨てにしたからと言って敬っていないとは限らないと思うよ?
ってか、サスケ。あんた”敬う”なんて難しい言葉よく知ってるね。
…まあ、シバが私を「姉さん」と呼ぶと、両親が嬉しそうな顔をするから、変に断れないし。
実際、嫌ってわけでもない。ただ、照れくさいだけ。
…だから、放置してる。
それより。私はシバに引っ張られながら、明後日、イタチとどんな会話をしようか、考えていた…___
、