第2章 旅立ちの章
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「カエデ、お主は医療忍術を習いたいと言っていたな。」
火影邸についてすぐ。にこやかな顔で迎えられたかと思えばそんなことを聞かれた。
私は驚きながらもうなずき、その様子を見た火影様はニコニコと笑う。
…急に何の話だよ…と思いながら、火影様も言葉を待っていると、火影様はスッと一つの巻物を私に差し出した。
「それは、ある医療忍術に長けた者がお主に会いたいと言ってよこしてきたものじゃ。」
「それってもしや…あの方ですか?」
「ああ」
医療忍術に長けた者…イルカ先生も知っている原作メンバーで言ったら綱手様辺りかもしれないけど、綱手様が私に会いたいという理由がわからない。
「コレを送ってきた者は少々天邪鬼でな。ある場所に行き、ある口寄せ動物達と契約することが出来たら自分の弟子にしてやる…と言っておる。」
行ってみる気はないか?そう火影様の目が聞いてくる。
隣でイルカ先生が目を丸くしているのが気配でわかる
仮に、巻物を送ってきた人が綱手様だとして、綱手様は何を考えているのか。
でも…三忍と謳われる綱手様のもとで医療忍術を学べるのは、またとないチャンス。
「…二年後……二年でもっと修行して、強くなります。その後で口寄せ動物と契約して、その巻物を送ってくださった方の元で医療忍術を習いたいです。」
そう言った私を見て、火影様はよし、とうなずき、イルカ先生はもっと眼を丸くさせた。
「そうか、ならばそのように伝えておこう。イルカ!カエデの成績はどうじゃ?」
「え!?あ、カエデの成績は…学力、忍術共に優秀です…
目立った欠点はなく、相対的に見ると少し体術が低いですが問題はないでしょう。
チャクラコントロールが上手いので医療忍者向きではあると思います。
…ああそうだ。半年ほど前からカエデは影分身を覚えたようで、最近では二人ほど作れるようになったみたいです。」
「ほう、まだ6つで…」
影分身、イルカ先生には覚えたことを言っていなかったし、普通の分身に見えるようにしていたのに…さすが先生…あなどれない…
イルカ先生の発言に、驚きはあったけどそれ以上にしっかり見てくれていることが分かって、嬉しかった。
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