第1章 始まりの章
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遠くの方にサスケと焦っているレイが見えた。
ずんずんとまっすぐ私を見据えて歩いてくるサスケ。
諦めた顔をしているレイ。
「……え?…あー、ん?嫌な予感が…はは、」
乾いた笑いをこぼしながら、ゆっくり後退していく。
そんな私の姿を見たサスケはスピードを上げて真っ直ぐこちらに来る。
怖い怖い怖い!!来ないで!無理!怖い!
無表情でこちらに来られると怖すぎて、ホント勘弁して!?
後退するスピードを上げるも、後ろ歩きとは中々スピードが出ないもので。
だからといってサスケに背を向けるのも怖いし。
ほら、よく言うじゃん?森で熊に会ったら目を逸らさずに後退しろって。
ここは森でもないしサスケは熊じゃないけど、恐怖心的には同じ。
ほんとにな~んも変わらん。サスケ怖い。
そんなバカな現実逃避をしていたらやっぱり捕まるわけで。
両肩をガッ!と捕まれてサスケから一言
「俺と勝負しろ」
…アレかな?この前…の、まぐれで勝っちゃったやつ…気にしてるパターン??
アレはほんとにまぐれだったし、気にするほどのことじゃ…。
と言いたいけど、有無を言わせない圧力をサスケから感じる。
………だから怖いって!君ほんとにウスラトンカチですね!!!
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