第1章 始まりの章
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「あ、はは、分かったから、その、手、どかして?」
未だに両肩をがっしり掴んでいるサスケに、さっきからオマエも怖いけど女子が怖いんだよ!なんて悪態をつく。
もちろん、心のなかで。
サスケに手は離してもらい、一緒にイルカ先生のところへ行く。
ああー、次サスケか、嫌だな、こわいな…なんて考えながらイルカ先生に声をかけた
「イルカ先生!二回戦目、サスケとやります」
「ん?ああ、カエデ、オマエは二回戦目やらなくていいぞ?」
「「は?」」
頭にはてなマークを浮かべるサスケと私。
えーと?それはどういう…?うーん?
そんな私達を見て、はは、と苦笑いをしながらイルカ先生はある事情を説明しだした。
「皆の一戦目が終わったら、俺とカエデで火影様のところに来い、と言われてな?」
だからカエデは二回戦目はしなくていいんだ、なんて優しい笑顔を向けてくるイルカ先生。
イルカ先生いい人だし、私的にはその笑顔大好きなはずなんだけど…
今は死の宣告にしか聞こえない不思議。
「サスケ、二回戦目は他の人にしてくれ、」
「…」
私が一人、死の宣告に怯えているとイルカ先生はサスケにそういった、
でもまあ、サスケはそんなことを簡単に納得するようなやつじゃない。
案の定ムスッとした顔をして何も言わない。
「…サスケ、そんなに私と戦いたいなら明日、放課後に試合しようよ。
私、丁度サスケにお願いあったから、負けた方が勝った方の言うこと聞くってのどう?
…今回はやめの合図はないから、ちゃんと決着つくんじゃない?」
私がにこやかにそう言ってやると、サスケは少し考えた後に「わかった」と言って皆のもとに戻っ
ていった。
私もイルカ先生に、「終わったら教えてください」と言って皆のもとに戻る。
…それにしても、この時期に火影様に呼ばれるとか、考えなかったわけではないけど…もうすぐレイの誕生日だし、レイが旅に出る日も近いだろう。
私にはなんの話だろう。私も旅にでろとか、そこら辺かな?
少しの不安を抱えて、イルカ先生を待った
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