第1章 始まりの章
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その日の午後
いつもの修行場所に行くと、レイが木刀を振り回していた。
「レイ!ごめん遅れた??」
「いや、俺が今日早く来てただけだ。」
レイの家は剣…刀を使った戦闘スタイルで、前世では中学剣道部部長だった。
中学も結構強いところで、男子部員も居た中で部長になったくらいの実力者だった。
そんなレイだけど、高校では一切剣道に関わらなくなってしまって。
ずっと一緒に居た私はもちろん理由は分かっているけど、大好きな県道をやらなくなったレイを見るのは辛かった覚えがある。
レイはいつも言っていた。女の子は結局男の子に勝てないって。
中学最後の全国大会、レイは同い年の男の子に敗北した。
今までその子に負けたことはなかった。でもその日、レイは力で負けてしまった。
テクニックでは勝っていたかもしれない。
その試合は、男子の力には勝てない、とレイに思わせるのには十分だったらしい。
だから今回の人生は男として、剣道の家系に生まれてすごく喜んでいた。
だから最近はずっと剣の修行に明け暮れている。
私はそんなレイの横で、一番苦手な体術の修行を始めた。
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【レイ メモ】
・レイは、剣道の家系に生まれたらしい
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