第1章 始まりの章
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「わざわざありがとね、シカマル」
「母ちゃんに逆らうほうがめんどくせーからな…気にすんな」
そんなこと言われたら苦笑いしか出ない
「あと2日もすれば親父も帰ってくるから、そん時に見学させていいか聞いてみるわ」
「ほんと!?やった~!!ずっと見て見たかったんだよねぇ…」
ニコニコと上機嫌で歩いていると、段々と見慣れた道になってくる。
もうすぐ着くよ、とシカマルに言おうとしたその時。
「カエデーーーーーー!!!!!
心配したんだぞ!昨日帰ってこないから!母さんは大丈夫って言うし!…って!シカマル!昨日はシカマルの家にいたのか!!??そうなのか!?!?」
ドンッと人がぶつかってくるような感覚の後すぐ、シバの声が聞こえた。
しかも耳元で大音量。
案の定、私の耳からキーンと嫌な音がし、顔をしかめる
思いっきり抱きついてきたシバは、少し鼻声で、心配かけてしまったと言うより、コイツのシスコン大丈夫かな、と心配した。
「ちょ、シバ!わかったから、もう、離れて……!」
ギューッと力強く抱きしめ……巻きついてくるシバに、抵抗するもビクともしない。
なにこれ?火事場の馬鹿力?使うとこ違くね?
とりあえず苦しいから止めてほしい。
「シバグリ、おまえカエデ潰す気かよ」
窒息死とか嫌なんだけど!と思いきり抵抗しようとしたときにシカマルが間に入ってくれた。
渋々、シバも離れてくれた。いやあ、ありがたい。
「じゃあ、俺はもう帰るな」
「うん、わざわざありがとね」
「シカマルに手出されてない?大丈夫だった??」
「…いい加減うるさいよ、シバ」
「……ごめん…」
大丈夫かと私の方を掴んで揺らしながら聞いてくるシバに少し低い声で制してからシカマルに手を振る。
あからさまにシュンとするシバの頭にたれ耳があるようなきがするのは気のせい気のせい
シカマルは苦笑いしてから、じゃーな、と言って来た道を戻っていった。
家に帰り、お母さんに昨日のことをしっかり話してから自室に戻る。
ヨシノさんとお母さんは本当に仲がいい様で、今度お茶しに行こうかな~なんて言っているお母さんが可愛かった。
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