第1章 始まりの章
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…そういえば、ちゃっかりこの家に馴染んでしまってるけど…
シカマルのお父さん、シカクさんはまだ帰ってないのだろうか。
あたりを見渡すと、将棋台を見つけた。
…シカマルと言ったら、将棋だよね。
「将棋に興味あるのか?」
いつの間にかお風呂から上がっていたシカマルが、将棋台をじっと見ていた私に話しかけた。
「興味というか…まあ、いつかは出来るようになりたいとは思うけど…」
「興味を示す先が古いな」
「…戦術を立てる練習に良いと思っただけだよ」
…将来、趣味が将棋になるやつに言われたくないわ!
なんて思いながら適当なことを言っておく。
「随分と勉強熱心だな…もう子供は寝る時間だって、母ちゃんが」
「もうそんな時間なんだ、気づかなかった…」
案内するから付いてこい、と言われて素直に頷く
「…オマエさ、なんでそんな焦って強くなろうとしてんだよ?」
「…焦ってるようにみえる…?」
「同世代でオマエほどチャクラコントロールが出来ているやつはいねーよ」
そんなふうに見られてたか、なんて少し驚いてしまう
「将来、医療忍術のスペシャリストになりたいからねー!」
「医療忍者か…なら、うちの研究所見学できないか親父に聞いてみるか?」
「うちって…奈良家の!?」
「それ以外ねーだろ」
「えええ、ほんとに…!?」
奈良家の研究所なんて言ったら、よく効く漢方を研究していることで有名だ
さすがシカマル。嬉しいことを言ってくれる…
「最近、親父が新漢方の研究に行き詰まってて…可愛い女の子連れて来いってうるせーんだ」
ゲンナリしているシカマルを見て、思わず苦笑いを浮かべながら「大変そうだね」と言ってると、どうやら部屋についたらしく…
「オレの部屋だけど気にするなよ」
「あ、わざわざ布団敷いてもらってる…ありがたい…」
「…聞ーてねーし気にしてねーな。」
「そういえば、今日シカマルのお父さんは…?」
「任務で今日は帰ってこねー」
「そうだったんだ…」
もう電気消すぞーというシカマルに、オッケーと言い、布団に潜る
もし欲を言っていいのなら、奈良家の鹿とも触れ合いたい…なんて
そんなことを考えながら、眠りについた
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