第1章 始まりの章
、
「お、出たのか。」
「流石にここに居るとは思わなかったぞ」
「ここに居ねーとお前迷うだろ」
「…たしかに…」
脱衣所を出るとすぐ目の前にシカマルがゲーム機片手に座っていた。
…うん。ふつーにビビったよね。それと同時に出た音とか聞かれてないか、とか恥ずかしかったよね。
こちとらお前が最大の推しなんだぞ、コラ。
なんて心のなかで悪態をつく。
「…ありがとね、」
私が素直にお礼をいうと、シカマルはプイッとそっぽを向いて「まあ、放置するわけにも行かなかったからな」と言った。
シカマルが照れるとよくやる癖。
そんなの見せられたら自然と口角も上がってしまうわけで。
ニヤニヤしている私を見て、すねた顔をするシカマルと一緒に奈良家のリビングまで行った。
、