第1章 始まりの章
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「ちょっとシカマル、どーしたの!?女の子ズブ濡れじゃない!?」
「池に落ちたらしい。風呂使える?」
「え!?ちょ、シカマル、タオルとか借りれればそれで…」
シカマルの家につき、出迎えてくれたのはシカマルのお母さん。
息子が急にずぶ濡れの女の子を連れてきて、驚いているようだった。
シカマルは、そんなことを気にする素振りも見せず、私に「ここで待ってろ」と言って家に入っていく。
残されたのはシカマルのお母さんと私。
「赤い髪…貴方がカエデちゃんね!いらしゃい。シカマルがタオル持ってくるから待ってて。」
正直、シカマルのお母さんとは思えない人だな、というのが第一印象。
でもどこか出会っている気がするのはなんでだろう。
この人の名前も知っている気がする…
……気のせいかもしれないけど。
「突然お邪魔してすいません、ずぶ濡れの私を見て、シカマルくんが心配してくれて…」
「いーのいーの。そのままじゃ風邪引くでしょ。ズブ濡れの女の子放置したとあっちゃあ、あたしはシカマルを怒鳴ってたよ。」
はっはっは、と笑うシカマルのお母さん。
「んな事しねーよ。恐ろしいこと言うな…」
話を聞いていたらしいシカマルが、顔をこわばらせて嫌な顔をする。
一つため息を吐いて、手に持っているタオルを私の近くに敷いた。
「足拭いて中上がれ。風呂、案内するから」
「いやいや、タオルでパパパッと拭くだけでいいよ、暗くなる前に帰りたいし」
「もう暗いけど。」
「え。」
慌てて外を見る。…確かに暗い。
そりゃそうだ、始めたの夕方くらいだし。
それでも、お風呂までいただくわけには…というか、最大の推しの家に居るってだけで鼻血物なのに、風呂はいるとか無理!!!
もうなんか色々興奮要素がありすぎて無理!!!
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---少しづつ忘れてく---