第1章 始まりの章
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シバの質問に、私はゆっくりと口を開いた
「天眼通は、天眼で見た者の過去、現在、未来を見ることができる…」
「その3つが見えたからってなんになるんだよ?」
「忍は、常に死と隣り合わせの者。天眼で見た者の未来が、命に関わってくるのだとしたら…」
「…だとしたら…?」
「見た未来を変えることができるかもしれない。亡くなる命を、救えるかもしれない、そんな目になる。」
「…それって、………めちゃくちゃ、忍に向いてんじゃん!」
「そう。最悪の未来を変えるために、行動することができる。
…だから、秋野一族は滅びない。」
私の説明を聞いて、眼をキラキラさせて喜ぶシバと、ニヤリと笑って頷くお父さん。
お父さんの反応を見るに、私の解釈は合っていたらしい。
そして、その眼の対象が人間ではなくてもいいのだとすれば、結界札などにも使え、敵の結界忍術を簡単に解くことができる…ということになる。
ある意味チート能力なんだ。
にも関わらず秋野一族があまり知られていないのは、一族の頭が悪いから、権力を手に入れてもうまく扱えないから、などの理由だろう。
正直、原作に影響与えないためのこじつけのような気もするが…
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私は一人、部屋を出た。
シバは天眼の話まで聞いて、慧眼の話を聞くのは無理そうだから、と一先ず天眼を開眼させる修行に入った。
結界限界を持たないであろう私は、「自分の修行をしてくる。」と言い、部屋を出てきたのだ。
シバと修行部屋に入った時は明るかった空は、オレンジ色に染まっていた
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