第1章 始まりの章
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「この眼はな、瞳術の一種とか言われているけど…まあ、そんな大層なものじゃなくてな。血継限界を持っていれば誰でも開眼できるんだ」
…いや、血継限界ないと出来ない時点ですごいやつから、それ。
「まぁアレだ。馬鹿な俺ら秋野一族のために出来た眼だ。」
…それでいいのか。
そう思う私とは裏腹にシバは眼をキラキラさせて「その眼には何が見えるんだよ!?」なんて聞いてる。
秋野一族がバカなの納得。
「何が見えるつってもな…白眼ほどじゃあないがチャクラの流れを見ることができるくらいで、視力が上がるとかそんなものないんだ。」
「ええー、じゃあなんのために使うんだよ!」
それを聞いてわかりやすく落ち込むシバだけど、チャクラの流れを見ることができるって、それすごいんじゃないの!?
「簡単に言うと、幻術を使いやすくするのがこの眼の役割だ。
本来幻術は人の五感のうちのどれかを対象として相手に精神的なダメージを与えるものだ。
でもこの眼を使えば、相手がこちらを認識していなくても、自分が想像した通りに特定の相手に幻術を見せることができる。」
「何も簡単じゃねえ!もっとわかりやすく教えてくれよ!」
不満そうに言うシバに、お父さんも少し困り顔で「それが、オレにもいまいちよくわかってないんだ」なんて言うものだから呆れてしまう。
「オレの親父…つまりお前らのおじいちゃんは、この眼は人の五感に働きかけて相手に幻術を見せているのではなく、第六感に働きかけているんじゃないかって言っていた。」
「第六感?」
「それどこだよ?」
シバの問いかけに考え込むお父さん。
しばらく考え、「わからん」と宣言した。
いやいや。おかしい。そんなはずない。
「…つまり、理屈では説明できない、人間本能のようなものを利用しているんじゃないかっておじいちゃんは言っていた。ってことじゃないかな…」
流石にこの会話はやばいと思った私は、全力で補足説明をした。
私の発言にシバだけでなくお父さんも納得したような顔をする。
いやいやおかしい。お父さん知っててよ。
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【秋野家 メモ】
・秋野一族は、頭が悪いらしい
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